北海道日本ハムファイターズが2年ぶりのリーグ優勝を決めた。
夏場以降ケガ人に泣かされた梨田監督もホッと胸をなで下ろして
いるだろう。マジック点灯こそ早かったものの、なかなかその数を
減らすことができず、勢いに乗った楽天にあわやというところまで
迫られてしまった。しかし、前半戦の貯金と選手層の厚さが、崩れ
かかったチームを救った。
 特筆すべきは12球団1位のチーム打率だろう。その原動力と
なった二人の存在は大きい。2軍での実績が評価され今年から
1軍で指導に当たる大村打撃コーチ。彼の愛弟子にして投手から
転向後着実に力をつけてきた糸井選手。以前からよく知っている
だけにこの二人が活躍して掴んだ今年の優勝は非常に嬉しい。
観戦の際には注目して見てもらい。身体能力はイチローをしのぐ
と言わしめる、糸井選手の鋼のような体とそのプレーには思わず
唸ってしまう。また、カメラに収まる機会は少ないかもしれないが
大村コーチの動きも必見だ。攻撃時にはベンチ最前線に陣取り、
1球ごとに何やらメモを取り、選手たちはコーチの元に立ち寄って
から打席に向かう。12球団1のチーム打率はこの「大村メモ」から
生まれているのだ。2軍時代から変わらないこのスタイルに、彼の
勤勉さとそこから生まれる強さを感じる。
 さあ10月はクライマックスシリーズと日本シリーズ。ダルビッシュ
が間に合わなければファイターズの分は悪いが、この打線を楽しみ
に観戦するとしよう。